【畑訪問レポート】受け継がれた土地と、毎日の積み重ねがつくる味(飯田開発農場さん)

こんにちは、ばばちゃんです。
私たちの原点は、いつも「現場」にあります。
現場を知ること、生産者さんを知ることは、その土地を知り、好きになること。
その地域を愛することそのものだと思っています。
今回訪れたのは、飯田開発農場さんの鳥栖市にある畑。
マルシェでもストアでもファンの多い飯田開発農場さんは、大分県玖珠郡九重町の飯田高原と、佐賀県鳥栖市の2拠点で野菜を育てています。
今回は、鳥栖市の畑を一人で管理する、るり子さんのもとへおじゃましました。
畑へ着いて最初に見せてもらったのは、オクラ。
本当なら、7月7日から開催の福マルシェストアで皆さんにお届けしたかった野菜です。
けれど、ストア前は雨の日が続きました。

湿度の高さと日照不足で葉は傷み、最初についた実は枯れて落ちてしまったそうです。
そんな話を聞く中で、るり子さんがぽつりと話してくれました。
「小さな実を見つけた時に、涙が出ました。」
その一言が、今でも心に残っています。
雨が終わったと思えば、今度は急な暑さ。
オクラは、今度は一気に大きくなり過ぎてしまいます。
「これは今日の夕方には採らないと。」
「これは明日までかな。」
畑を歩きながら、一つひとつの実を見て、収穫のタイミングを判断していくるり子さん。
「明日でいいかなって思うと、すぐ大きくなり過ぎちゃうんだよね。」
野菜は待ってくれない。
天気も待ってくれない。
毎日畑に立ち、その日の天気、その日の野菜を見て判断する。
農業とは、その積み重ねなのだと感じました。

私も一緒に、オクラの収穫と不要な葉を落とす作業をさせてもらうことに。
畑に響くのは、
「チョキン、チョキン。」
という軽やかな音。
「この音、なんだか好きなんだよね。」
「考え事をしてる時も、この音を聞くと落ち着くの。」
そう笑うるり子さん。
でも、手は休まりません。
「なんでここだけ枯れてるんだろう。」
「肥料かな。」
「日が当たり過ぎたかな。」
目の前の野菜と会話をするように、ひとつひとつを見つめながら作業を続けます。
朝も昼も夜も。
野菜のことを考えない時間なんて、一日の中にないんじゃないか。
そう思うほど、向き合っていました。
収穫したオクラを手渡されました。
「ばばちゃん、食べてみて。」
「大きいけど、全然固くないから。」
正直、生のオクラを食べるのは初めてでした。
少し戸惑いながら口に運ぶと、とてもやわらかく、甘い。
思わず驚きました。
「どの大きさが一番甘いか、どれくらいで固くなるか、食べながら覚えていくんよ。」
その言葉に、野菜づくりは知識だけではなく、毎日の積み重ねなんだと気づかされました。

もっと美味しい野菜を作るために、毎日試して、考えて、また試す。
その繰り返しです。
「大変ですよね。」
そう聞くと、るり子さんは笑いながら答えてくれました。
「大変。」
「でも、本当に農業が好きじゃないと続かないよね。」
そして、農業を続ける理由も教えてくれました。
「祖父が何年もかけて開墾した土地だから。」
「この土地を守っていきたい。」
その言葉を聞きながら見上げると、大きく育ったオクラが頭上まで伸び、緑のアーチをつくっていました。
あの景色を見ながら思いました。
この畑で育っているのは、野菜だけじゃない。
受け継がれてきた土地への想い。
天気に一喜一憂する毎日。
小さな実を見つけて涙がこぼれるほどの愛情。
そのすべてが、この畑には育っていました。

飯田開発農場さんの野菜は、甘くて、味が濃い。
でも、その美味しさは土だけではありません。
朝も昼も夜も野菜のことを考え、小さな変化を見逃さず、悩み、喜び、また畑へ向かう。
そんな、るり子さんが積み重ねてきた時間そのものが、この野菜の味になっているのだと思います。
現場へ足を運び、生産者さんの話を聞くたびに思います。
九州には、まだまだ知られていない素敵な作り手がいて、その土地だからこそ生まれる食があります。
その土地を知ることは、その土地で生きる人を知ること。
そして、人を知ることで、一つの野菜が、もっと愛おしくなる。
次に手に取る野菜の向こうに、その土地と、その畑で流れる時間を思い出してもらえたら、うれしいです。
▼飯田開発農場さんの今後のご出店予定
・8/16(日)@鳥飼八幡宮(福岡市中央区)9:30~14:00 詳細はこちら
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