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福マルシェメンバーと学ぶ!「はじめての自然農」

こんにちは!福マルシェ・メンバーのミカです。
だんだん夏の気配がしてきましたね。

毎年夏はきますが、今年は平成最後の夏!ということで。
平成最後の夏に第1回福マルシェが開かれるってことは、

「あ、福マルシェって平成から続いてるんだ!!」
って思う人が100年後に一人くらいいてもおかしくないってことだな…
とか遠い未来に思いを馳せる今日この頃です。

さて、今日は自然農についてのお話です。
自然農って聞いたことありますか?
(わたしは福マルシェをはじめてから知りました。)
今回機会があって自然農の畑を見学させていただいたのですが、
実際に見てみると、想像以上にすごくて五感が圧倒されっぱなし。

この記事を読んでいるあなたにも!自然農に興味を持ってもらえると嬉しいです。

はじめての自然農

まずはじめに、こちらの写真をご覧ください。

私たちがイメージする、水を張る前のごく一般の田んぼです。
では、こちらをご覧ください。

「え、草ボーボーやん」「なに育ててるんだろ」「休耕田??」
って声が聞こえてきそうです。

実はこれ、自然農の田んぼなんです。
あと一ヶ月後くらいに、耕さないままここに水を張って、苗を植えていくそうです。

自然農の実践家である川口由一さんによると、耕さない・農薬・肥料を用いない・草や虫を敵としないことが、無肥料栽培の3原則なのだとか。

農薬・肥料を用いないことはわかるけど、
耕さない、草や虫を敵としないって、どういうことなんだろう。

今回は「松国自然農学びの場」の村山さんにお話を伺いました。

——よろしくお願いします。

村山:お願いします。

自然と共生する

車の中から遠目に見ても、何かが違うことがわかる。車を降りると、青々と茂った緑とやさしい光に包まれて、まるでジブリの世界に迷い込んだかのような感覚。

村山:自然農のことはご存知ですか?

——いえ…自然の力(太陽や水)だけで栽培するんだろうな、というぼんやりしたイメージしか…。

村山:農薬や化学肥料を使っていると、土が汚染され、疲弊していく。その間違いに気づいて有機農がはじまりました。

しかし、有機農も畑を耕します。畑を耕さず、農薬・肥料も一切使用せず、より自然に近い方法で栽培するのが自然農です。

——農薬や肥料は分かりますが、耕すことのなにがいけないんでしょうか??

村山:耕すと、土が固くなって微生物が死んでしまいます。微生物のすみかを壊してしまう、ということですね。そして、一回耕すとまた耕さないといけない。その繰り返しです。

微生物がいなくなると、その微生物を食べるミミズや小さい虫もいなくなってしまいます。自然農はいろんな生態系と共存する、永続可能な農業です。

——なるほど…(小学校で食物連鎖とか習ったな…。)ものすごく環境に良さそうですね。

村山:普通の畑は、キャベツ畑だったらキャベツだけ育てたり、草を敵にしたりしますよね。無肥料栽培は、草は敵ではない。たくさんの生き物と共に育った方が元気な野菜が育つ、という考え方です。

そもそも自然界において、その作物だけがある状態って不自然だと思いませんか?

村山さんの口調は穏やか。周りから鳥のさえずりが聞こえていて、ただそこにいるだけで浄化されていくような気持ちになります。

作物と作物の間に植えられているニンジン。自然農の畑は、作物なのか、草なのか、素人には見分けがつかない…

畑は人生そのもの!?

——あの…耕さないし、草も抜かないなら、他になにをするんでしょうか?

村山:いわゆる「世話」をします。草に負けそうなときは草をかってあげる。負けそうなときだけですね。

——水やりとかもないんですか?

村山:雨が降らなくて枯れそうなときだけ水をあげることもありますが…自然農の田畑って、裸の部分がないんです。必ず、枯れた草か生きた草で覆われているので乾燥しにくい。

——な…なるほど…!!!草に負けそうなときだけ、枯れそうな時にだけ手をかけてあげるんですね。

村山:はい。人間もそうですけど、赤ちゃんや乳幼児の頃はしっかり手をかけるでしょう?それから、育っていくうちにだんだん親は手をかけなくなるし、手をかけないほうがよかったりする。作物はそれと同じ。

まだ苗が小さいときは手をかけて、負けそうなときには手を貸してあげる。だけども、草に負けていないときは草と一緒に育った方が元気に育つ。だから絶対草や虫を敵にしてはいけません。

苗床で大切に育てた苗を、畑に植えかえている様子。

——なんだか畑って人生みたいだなぁ〜。

村山:畑は人間がものすごく出ます。育てる人によって畑の表情が全然違う。畑をみると、その人を見ているような気持ちになりますよ。

——絵を描いたり文章を書いたりしても、その人の個性が必ず出るじゃないですか。だけど、畑にまで自分が表れるなんて、全て見透かされそうで、少し気恥ずかしいなぁ〜。(実際わたしのような初心者が自然農の畑を見ても、何がどこに植えられているのかすらわからないんだけど笑)

命の上に育つ野菜

——自分の子どものように愛情をかけて育てていると、虫の一匹一匹まで可愛く思えてきそうですね。

村山:そうですね。イノシシだって虫だって、どこの田んぼもスルーしてこの田んぼを狙ってきます。化学肥料・農薬を使った田んぼは荒らさないですね。ミミズもほとんどいないでしょう。

——虫や動物もわかるんですね!本当にみんな幸せそうですもん。カエルもバッタも、いい表情してます。

村山:自然農をやってみると、いろんな生き物の上に作物ができる、ということを体感します。それから目に見えないものたちまで入れると、一つの命の周りにはものすごい数の命が存在するということですよね。

——きっと、虫や動物にとってもここはパワースポットなんだろうなぁ〜…

村山:収穫した野菜からも、命の強さを感じるようになりますよ。
今は、美味しい=甘いと良く言われます。その意味では、ひょっとしたら有機栽培の方が甘いのかもしれない。だけども、自分の感覚を研ぎ澄ますと、やはり全く違います。


畑を散歩中に、たくさんの虫がいたんですが、なんだか虫が嬉しそう。しかも、どの虫も意地悪な顔をしてない…!!不思議なんだけど、本当に嫌な虫がいない…!!

自然農はライフスタイル

農園を上から見渡すとこんな感じ。あたり一面みどり、みどり、みどり…

——だんだん自然農を始めたくなってきました…

村山:まぁ、自然農の人口は日本の人口の0.0何パーセントかでしょうね…

——そんなに少ない…!!自然農大変そうですもんね…

村山:手のかけ方さえ学べば、そこまで大変ではないですよ。あと、自然農は石油を使わないのが基本なので、全部手作業なんです。自然に負荷をかけないように、大型機械は使いません。カマ、スコップ、クワだけを使います。それでも、耕さないので、ものすごく楽ですよ。

——どのくらい収穫できるものなのでしょうか?

村山:全部手作業なので、機械で1日で収穫できる範囲を、自然農では1日かけても1/3も終わらないでしょうね。
一見効率が悪いように見えますが、高い機械もいらないし、自然にも負荷をかけていない。手の貸し方だけ学べば、一番理にかなったやり方だと思っています。

——自然農で営農するって難しそうだな〜…。

村山:そんなことはないと思います。ただ、虫喰いがあったり、小さかったりする。それに、ハウスがないので季節のものはその季節にしかできない。流通が少し遅くなってしまうため、一般のところに出しても勝負はできないので、宅配をされている方が多いですね。

——村山さんのお話を聞いていると、自然農をされている方や、選んでいる方は、ライフスタイルを選んでいるんだな、という印象を受けます。
「どんな暮らしがしたいか」「どんな生き方がしたいか」「大切にしたいこと」などを、じっくり考えて自然農を選んでる。

村山:そうですね。今、そういう価値観を変えられてきてる人が少しずつ増えています。3.11や淡路がきっかけで自分の生活を見直して自然農を始める方も少なくありません。

わたし自身も、最初から農業に興味があったわけではないですから。

——そうなんですね!?てっきり慣行栽培から自然農に切り替えられたのかと思っていました!

村山:いえいえ。農業とは全く関係ない職業に就いていました。それが、36歳の時に自然農に出会って…。そのときに、自然農の中に全ての答えがあると感じたんです。
その後、自分が自然農をするのはもちろんですが、こんなに素晴らしい自然農をもっと広めたいと思いはじめて、この学びの場のお世話をすることになりました。

だから、わたしは美味しい食べ物のために自然農をやっているわけではないんです。一番いいのは、やっぱりいろんな命と一体感を感じられることですね。

——その気持ち、この畑を見たらすごくよく分かります。本当に、全てが詰まってる。

はじめて自然農にふれて感じたこと

たったの2時間弱の滞在でしたが、どんなパワースポットよりもパワーを感じました…。

「一つの命の周りにはものすごい数の命が存在する」という村山さんの言葉に、
自分自身も、周りから支えられて生きていることを素直に再確認できた。

それは福マルシェも一緒。
出店してくださる人たち、足を運んでくれる人たち、応援してくれる人…

たくさんの人に支えられながら育てられていくことへの感謝を忘れずに、
地域に根付くマルシェづくりをしようと改めて心に刻んだ一日。
100年後も続くマルシェを目指して。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

また次回〜^^

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